コラボレーション 動物病院+・・・（2） | 2013年1月23日 |  |
| 考察１：動物病院と整形外科 整形外科にはリタイヤしたご老齢の方々が日夜お集まりになり情報交換の場になっており、ご高齢の方々にはペットを家族として暮らす方々も多いので、整形外科に来られるお客様と同伴で動物病院を利用していただければ、ご高齢の方々の更なる情報発信と情報受信の場として、さらにペット同士のコミュニケーションと運動不足解消にとっても動物病院は有意義な意味を持って、今後高齢化社会となることが必須の日本では、皆様に愛される動物病院になる可能性を秘めているのではないでしょうか。 考察２：動物病院と美容室 美容室と動物トリミングは相性が良いと思います。美容室を利用する際にペットのトリミングを兼ねて動物病院を利用していただくことで定期的に動物病院にペットを連れてくる結果となりペットの病気予防の需要が高まり、健康維持の効果によってペットと長い時間を過ごせることに繋がります。美容院＋トリミング＋動物病院という商業形態です。オシャレを欲望する飼い主とペットは健康志向も強いことと思います。人間にとってもペットにとっても良い方向になるのではないでしょうか。 |
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| 栃木県壬生町 アイリー動物病院 |
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コラボレーション 動物病院+・・・（1） | 2013年1月18日 | |
| 郊外大店舗の一角に動物病院が入っているのを良く見かけます。郊外型の大店舗には多様な品物が陳列されておりペットショップやペットフードが置かれているのも見慣れた光景になってきています。ペットショップの動物の健康維持やペットショップで手に入れたペットの通院先としての動物病院の利点もあります。買い物時間を利用してペットのトリミングや健康管理を行うにも都合の良い場所です。駐車場も広く週末に家族で出かける頻度も高い郊外型大店舗に動物病院を設置する利点は素人が考えても数多いと思います。 廃業する動物病院よりも新規開業する動物病院の数が多い状況が今後も続いていきますと動物病院の数は右肩上がりに増加し続けることになります。現状では、動物病院単独での開業が大多数なのですが動物病院とのコラボレーションが可能な業態があれば、意外な展開が開けるのではないかと近年（個人的に）思い続けています。 |
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| ヨガ教室併設の動物病院 |
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外部手入れのススメ（4） | 2013年1月17日 | |
| 時間が経過し、長く使い続け、古くなっていっても手入れの行き届いた建物は風合いを感じる建物になります。建物を長持ちさせ、丁寧に使い続けることは地球環境に優しい所作となります。動物病院を利用する動物を愛するお客様は、自然環境の保護や地球環境の持続性に対して、積極的に関わる方々も多くおられますから、建物を大事に使用し続ける行為は、そのようなお客様にも好ましい印象を与えられると思います。 新築の建物が時間を経て、近隣の環境に馴染んで行くこと、自然環境と共生しながら年月を経て建物廻りの木々が育っていく建物は新築の建物では表現できない大人の雰囲気を醸し出すものです。建物が地域に愛され馴染んでいくにはある程度の時間が必要ですし、建物を長く大事に使い続ける意志と行動があって地元の人々に愛される建物に育っていきます。 最低でも1年に一度は、建物の外部を見回し、壁や基礎の汚れを落とし、樋の雨水の流れを確認し、屋根についた汚れも落とし、窓廻りも清掃することをお勧めします。 |
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| 栃木県壬生町 アイリー動物病院 |
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外部手入れのススメ（3） | 2013年1月15日 | |
| 建物に雨水の侵入を防ぐために使用されるシーリング材（材料間に充填されている素材で、指で押すとゴムのように弾力ある充填材）は引渡し後5年程度で劣化損傷し雨の浸入に対して効力を失います。故に、シーリング材の施工箇所も5年毎にシーリング工事を行うことが望ましいのです。 自然素材を使用していない既製品の外壁材を使用している場合でも、既製品の保証年数は10～20年程度で、風雨、太陽光の紫外線、寒暖の変化によって日々劣化は進み、竣工後10年程度で材料表面に施されている耐候性能や耐汚性能は確実に減少していきます。既製品表面の劣化が進むと既製品材料自体の強度が損なわれていく状況になります。通常、建物は10年に一度程度は、大掛かりな手直し工事を必要とします。基礎コンクリートの点検及び外壁、屋根廻りの再塗装とシーリング材の打ち直し、経年変化や劣化した箇所の補修を10年ごとに行うことによって建物の品質が維持されていきます。 10年毎の手直し工事には100万円前後の費用がかかります。10年で100万円、1年ごとに10万円程度の費用を積み立てておくこと、大雑把に計算すると月々1万円程度の積立金を積み上げて置かなければならないのです。 建物は建ててしまえば以後費用がかからない代物ではありません。建物を維持するにはそれ相応の費用がかかるもの、丁寧な使用を続ければ、建物の寿命も延びて行くものです。 |
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| 富山県富山市 エル動物病院 設計監理：村田三雄建築研究所 |
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外部手入れのススメ（2） | 2013年1月11日 | |
| 雨樋の詰りによって雨樋から雨水が溢れ出ると、雨水が外壁伝いに流れて外壁を汚します。雨水の通り道に当たる外壁は常に湿潤状態になり、外壁及びその内部も常時湿った状態が続きます。この状態が長引くと外壁にカビが発生し、壁内部には木材腐朽菌が増殖していきます。木材腐朽菌は柱や梁、土台の建物構造に関わる骨組みを腐食させ、腐食箇所にはシロアリが集まってきます。このような建物にとって負の連鎖が続くと建物の腐食箇所はダメージを受け、地震時の揺れに耐え切れなくなります。建物は全体のバランスを考慮して構造設計が成り立っています。構造の脆い箇所があると強い揺れや振動に対して脆い箇所に力が集中して、建物の崩壊に繋がる可能性もあります。雨樋の水漏れ程度と放置しておくと大きな事故に遭遇する可能性もあるということです。 外部に自然木を使用する外壁や木製ルーバーを使用した場合は一年目に再塗装、その後3年ごとに再塗装を繰り返すことで自然素材である木を長持ちさせることが出来ます。建物仕上げで施す塗装工事は建物の仕上がり向上の役目と共に、塗装による皮膜や塗装が材料に浸透することによって材料を保護し材料強度や材質を一定期間、維持する役目も担っているのです。故に建築材料を長持ちさせる意味でも数年毎に塗装を行うことをお勧めします。 |
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| 東京都国立市 ふく動物病院 |
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外部手入れのススメ（１） | 2013年1月10日 | |
| あらゆる建築について言えることですが、建物には手入れが欠かせないものです。建物室内の掃除は定期的にしますよね（最近はゴミを集めるのが趣味の方もおられるようですが）。動物病院の場合は、毎日、掃除をして消毒をすることが日課になっていることと思います。床の埃を掃除機で吸い取り、汚れの目立つ箇所はモップで水洗いし、お客様やペットが触れる場所は消毒する。動物病院で働く皆さんは当然のように毎日、掃除に携わっていることと思います。殊に臭いの発生場所になる入院室は日々掃除を行い、入院ケージ内も毎日掃除をし、用具の入れ替えや洗濯をしています。入院ケージの住人が変わるたびにケージ内もしっかりと掃除・消毒を繰り返していることと思います。 建物外部も手入れを必要としています。手入れは室内のように毎日毎日行うことは出来ないでしょうけれども、季節ごとに、季節毎に出来なければせめて一年に1～2回程度、外壁の汚れを落とす、屋根の様子を確認する、窓廻りのシーリングを確認する、樋の流れを確認し流れを堰き止める障害を除去する等々やっていただきたいと思います。点検や掃除をやらない場合よりも一年に一度でも掃除や点検をやっていたほうが確実に建物は長持ちしていきます。 |
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| 高知県土佐市 たんぽぽ動物病院 設計監理：コモダアトリエ |
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ノウハウの積み上げ | 2013年1月8日 | |
| 動物病院設計専門の設計チームとしてＡＣプランが活動を開始してから12年が過ぎました。 ＡＣプランに参加する6つの設計事務所では、動物病院の医療環境の向上を目的として、定期的に設計監理の情報交換を行っています。各々の設計の経験を通して成功事例や失敗事例を拾い上げ意見交換を行い、ディテールの改善と下地材料や仕上げ材料の標準選定を話し合います。 防臭に関する検討、防音に関する検討、安全なディテールや容易なメンテナンスにするための検討、クライアントゾーンのデザイン提案やワークゾーンの温熱環境のデータ収集等、課題は多岐に渡り山積していますが、ひとつひとつの課題の解決を提案し実現し検証していくことで、動物病院設計のプロ集団としてのノウハウを積み上げています。 |
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| 群馬県高崎市 あべ動物病院 設計監理：村田三雄建築研究所 |
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動物病院改修設計 | 2013年1月7日 | |
| 改修・改装設計は獣医師の先生方と動物病院を利用されるお客様の現状に対する不満を拾い出し解決する道筋を提案するとともに双方の新たな要望を実現する提案を融合しながら設計図面に落とし込んでいく作業となります。出来ることと出来ないこと、やるべきこととやらなくても良いことを様々な制約の中で取捨選択を行い、適格な判断をしながら設計作業を進めていかなければならない難易度の高い設計作業です。 開業を続けながらの改修・改装工事は通常通りの動物病院の営業を行いながら工事を進めることが出来ますが、獣医師の先生方や動物病院で働く職員、そして動物病院を利用しているお客様に少なからずストレスを強いる工事となります。工事中のストレスを最小限にするための工事進捗を検討し工区分けを行うことも、動物病院の改修・改装設計に於いても重要な検討事項となります。 時には動物病院の診療が終了する夜9時以降から翌日診療開始する9時までの間を利用して工事を行うことも有りますし、休みの日を利用して1週間に一度一部屋ごとに工事を完了させていく構法を採用することもあります。 開業しながらのリニューアル工事は獣医師の先生と設計者及び工事業者が一体となって進めていくことが改修工事の成功へ到達することの大前提となります。 |
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| 入院室の防音・防臭･防水改修 | ||
動物病院設計-2012年 | 2013年1月5日 | |
| 2012年、ＡＣプランでは40棟を超える動物病院の設計監理に携わらせていただきました。テナントや新築戸建の新規開業、動物病院併用住宅や増加するお客様に対応するための移転開業の設計監理を日本全国で協力させていただきました。また、昨年は改修・改装の設計監理と開業しながらのリニューアルの設計監理が多い年でもありました。 動物病院を利用されるお客様の要望は多様化しています。ペットの病気を治療するために動物病院を訪れるお客様に加えて、ペットの病気予防や健康維持のための定期的な健診として利用される方も増加しており、ペットの生活習慣や減量のために動物病院に相談に行きたいと考えているお客様も増えています。 数年前まで動物病院は病気に罹ったペットを治療するためだけの場所でしたが、これからの動物病院はお客様であるクライアントの多様な要望に応えるサービスの提供が求められます。クライアントの多様な要望に応えると共に、医療環境の充実と向上も加味して既存動物病院の改修や改装工事を具体的に考える先生方が、今後も増えていくことと思います。 |
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| テナント動物病院 平面図 | ||
動物病院はつくるもの（6） | 2012年12月28日 | |
| 動物病院と一口に言っても、将来、目指す動物病院の方向によってクライアントゾーンのつくり方もワークゾーンの平面構成も千差万別、まったく異質なものになります。地域のホームドクターを目指し少人数で診療を続けていく、将来、複数の獣医師で診療を行い医療サービスの充実を図る、1.5次診療を担える動物病院を目指す、2次診療体制を整え総合動物病院を見据える、専門医療に特化し遠隔地からの患者も視野に入れる等々、各々の動物病院の目指す方向によっても動物病院の設計は違うものになります。 お客さまは入りやすく、相談しやすい受付であること、緊張感を和らげ安心できる待合であること、異臭が無く清潔な待合や窮屈過ぎない診察室を求めています。遠慮なく使えるＷＣや入りやすい駐車場も欠かせないことです。 医療行為を提供する獣医師の先生方にとっても診療動線の煩雑さを解消しシンプルで機能的なワークゾーンと清潔でメンテナンスが容易な診療スペースが提案された平面計画や簡単に整理が可能で収納が豊富な建築計画は快適な医療を提供する上で欠かせないことだと思います。 そのような動物病院を実現するためにも、動物病院をつくる際には相応の時間を用意し、動物病院の将来の方向性を十二分に検討した上で、動物病院つくりをはじめましょう。 |
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| 東京都杉並区 エルム動物病院 |
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動物病院はつくるもの（5） | 2012年12月26日 | |
| 動物病院はつくるものですから希望の動物病院を手に入れるためには、相応の時間を要します。設計依頼から設計の完成、工事見積り業者の選択から工事見積り発注、工事見積り査定を経て工事業者を決定し工事契約、工事着工から工事竣工、竣工検査後の手直し工事を経て建物引渡しまでには、戸建動物病院では10ヶ月以上、テナント動物病院では3ヶ月以上の時間を要します。 プレハブ建築や大手住宅産業の住宅の作り方を標準と考えている方々には理解できないような長い設計及び見積・工事期間に思える時間の要し方のようですが、いわゆる注文住宅（クライアントの要望と希望を斟酌した上で製作する設計図をもとにつくられる一般建築）を想定してもらえれば、その程度の時間を要することは解っていただけるのではないかと個人的には思っています。 設計や施工の質（クオリティ）が同等になるのであれば時間がかかるより早くできるほうが経済的に有利です。将来のメンテナンス費用が同等であればやはり早くできるほうが優位でしょう。動物病院を開業する時点で時間を"かける"あるいは時間が"かかる"ことに大きな優位性は少ないと思われがちですが、設計や施工の質やメンテナンスの容易さを決める仕上や施工の精度を高めるには、確実に相応の時間を要します。設計を熟慮し再考するには、設計図を理解する時間が必要です。設計図は、ある程度の時間をかけて見ると設計図の上を歩くことが出来るようになります。設計図を疑似体験で歩いて見なければ設計図の良し悪しや難点を見つけることが出来ません。工事施工においても、施工の質やメンテナンスの容易さを決める施工精度は施工段階で一手間かけることと言い換えても良いと思います。一手間かける時間が動物病院の施工にとって非常に大事な時間であると私は考えています。 |
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| 東京都杉並区 エルム動物病院 診察カウンター下に手洗い設置 |
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動物病院はつくるもの（4） | 2012年12月25日 | |
| 建築をつくることは建築に携わる多くの人との共同作業になります。一般的な建築をつくる場合、共同作業の柱になるのは、クライアントと設計監理を行う設計者、そして建築工事を担当する工事業者です。動物病院の場合は医療機器の選択も設計や建築工事に関わってくる大事な要素になり、設計段階で医療機器の大まかな想定が必要になります。医療機器購入金額と建築工事の総予算のバランスを調整する力量と判断が必要になります。 設計のすべてを設計者に任せると、適正な動物病院が出来上がると思っている獣医師の先生方も多々いるようですが、残念ながら、そのようなケースで適正な動物病院が出来ることはほとんどありません。適正な動物病院とは適正を判断する人がいて初めて適正と言えます。簡単に言うと誰にとっても適正な動物病院はこの世の中には存在しない、すなわち適正ということは多分に個人的な判断であると私は考えています。 どのような動物病院が作りたいのか、どのような思いを持って動物病院をつくろうとしているのか、獣医師の先生が抱いている抱負や希望・要望を設計者に伝えることが出来る獣医師の先生でなければ、適正な動物病院（筋の通った動物病院？）は出来ないのです。 獣医師の先生の抱負・希望・要望・願望を伝える意志と行動が素敵な動物病院をつくる第一歩になると考えています。 |
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| 東京都杉並区 エルム動物病院 |
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動物病院はつくるもの（3） | 2012年12月21日 | |
| 設計者は土地やテナントを提示される以前に建物計画やデザインイメージが明確になっているわけではありません。少なくとも私の場合は、土地の調査やテナント調査に行き、獣医師の方にヒアリングする以前は極めてニュートラルな状態で動いています。努めてニュートラルな状態をつくっている訳ではなく、何のイメージや先入観も無いままに土地を見て調査を行っています。時折、テナントを調べている間に、ぼんやりと計画の塊がおぼろげに見えてくることもありますし、ヒアリングをしている時に、各室の配置や待合ラウンジの姿が霞のように表れ出ることもあります。 ただし、上記のようなケースは稀です。計画土地を図面化し、敷地廻りの諸条件を再考し、要求事項を整理しようとする段階で、悪戦苦闘しながら平面計画を練り上げていきます。テナント計画の場合も同様、要望条件の整理と医療動線とクライアント動線の整理をしていく間に平面の形が少しずつ明確になっていきます。 動物病院の場合は人間の動線と動物達のランダムな動線に加えて、目に見えることのない“におい”の動線も平面計画の中に入れ込んでいかなければなりません。さらに、音を閉じ込める工夫も動物病院の大切な機能の一つです。 設計者にとっては計画甲斐のある建築物件のひとつが動物病院の計画だと考えています。 |
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| 東京都港区 東京医療センター病院 |
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動物病院はつくるもの（2） | 2012年12月19日 | |
| 動物病院はつくるものです。希望の動物病院を実現するためには建築工事費用が必要になります（医療機器の費用も必要です）。開業する動物病院に対して、特別な希望を先生方が持っていなくとも、円滑に（標準的にと言っても良いかも）機能する動物病院をつくるためには適正な建築工事費用が必要になります。適正な工事費用は基本設計にご同意いただき、実施設計図が出来あがり、工事見積りを算出して出てくるものです。坪単価と言われているものは、特別な希望や要望が無い場合の動物病院をつくるための基本的に必要な金額のざっくりとした平均値です。当てになるようで当てにならない“標準的な単価”程度に考えておけば良い程度の概概算金額です。 世の中は常に不確実な未来に向かって流れています。未来のことは誰にもわかりません（少なくとも私にはわかりません）。不確実な未来の中に最低限の保証が可能なように設計図を作成し見積りを作成し、工程を想定して見えない未来に予定をたてていくことが設計事務所の作業です。未来を完全に保証することは出来ませんが、あまりにも漠然とした未来の動物病院の姿を、少しずつ現実的な形になるように方向付けをすることが動物病院設計に出来ることだと考えています。 |
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| 神奈川県厚木市 Ｉ 動物病院 設計監理：アークビジョン |
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動物病院はつくるもの（１） | 2012年12月14日 | |
| 建築一般に言えることですが、建物はつくるものです。最近、建物を既製品の商品と考えている方も多いようですが、建物は“つくる”ものです。動物病院も建物の範疇に入り、動物病院はペットと共に生活するお客様を主顧客に持つ診療機能をもつ特殊な建物と言えます。 開業を希望する先生方は、理想の動物病院の姿を思い描き、動物病院建築が可能なテナントや土地を見つけたいという希望を持ち、テナントや土地探しを行います。気に入ったテナントや土地が見つかった場合でも、そのテナントや土地に希望する動物病院の機能が挿入可能かは別の話です。テナントや土地には前提条件があります。入口の方向や窓の位置、給排水位置や天井高さ、柱位置や形状・形態と同じものは一つとしてないといって良いでしょう。建築法規上の制約もあり、テナントの入る建物の管理上の制約もありますから、テナントや土地を決める前に、動物病院の建築可否を行政窓口への確認、ビル管理組合への確認、電力会社への確認や引き込み水道管径や下水に関する確認も必要です。 |
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| 東京都港区 ダクタリ東京医療センター病院 |
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ワークゾーンの使い勝手 | 2012年12月10日 | |
| 診察室から検査コーナー、検査コーナーから診察室、診察室から処置室、処置室からＸ線室、Ｘ線室から処置室、処置室から診察室、診察室から薬局、薬局から受付、受付から処置室、処置室から診察室・・・日々のワークゾーン動線は多様です。これらの診察や処置に加えて入院や手術の動線が追加されると多様を通り越して複雑になります。これらの動線上を複数の獣医師と看護士・アニテクさんが動き回ると混沌（カオス的状況）となってきます。 カオスの中で日々診療を行う状況を避けるためにもワークゾーンの平面計画は深く考えなければなりません。 人間の動線と共に考慮しなければならないことが、空気の流れる道をつくることです。動物病院に“におい”は付き物です。毎日清掃を行い、毎日メンテナンスを行っても“におい”は出てきます。出てくる“におい”を恒常的に流し“におい”を溜め込まない流れをつくることもワークゾーンの重要な平面計画の１つになります。 そして、防音。院内のクライアントゾーンや院外に不快な騒音を出さない工夫もワークゾーンの設計に求められます。 快く働くためのワークゾーンづくりには乗り越えるべき課題が山積されています。しかしあきらめることはありません。解決する道は必ず見つかります。出来ることを確実にやっていくと、最終的には働き安いワークゾーンが垣間見えてくるものです。あきらめずにがんばりましょう。 |
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| 群馬県高崎市 あべ動物病院 待合・診察室・処置室に面する中庭 設計監理：村田三雄建築研究所 |
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開業候補地（テナント）の選別 | 2012年12月5日 | |
| 動物病院開業後、動物病院経営が順調に進捗するかは動物病院の立地環境や競合動物病院との距離や診療方針にも影響を受けることと思いますが、将来の状況に関して確実な判断が出来る人間はいません。開業コンサルタントも税理士も動物病院の開業後の盛況を願っているのでしょうが、立地や近隣環境が良好で、開業当初の脚足は伸びても、その後順調にクライアントが増加するとは断言できません。動物病院の盛衰はひとえに開業後の診療サービスの提供にかかっていると思います。 候補テナントや土地が動物病院として機能するための建築上の条件を満たしているかは、設計事務所の意見を聞くことが近道です。既存テナントのインフラや構造条件と動物病院を計画した場合の施工の容易さ等の判断は設計事務所が適しています。また、土地に関しても、希望する動物病院の建築の可能性と駐車場の台数や駐車出入りの適正判断に対しても、適格に答えることができます。 設計事務所は動物病院開業後の運営に関して、意見を言うことは出来ませんが、テナントの建築条件を把握し動物病院計画の建築的な難易度を見る目は持っています。また、希望する戸建動物病院が選択した土地に適正に建てられる可能性の可否判断も持っています。 開業候補のテナントや土地の選択に迷った際には、設計事務所に声を掛けてみることも、選択肢の一つとして持っておくべきでしょう。 |
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| 千葉県佐倉市 ル クールどうぶつ病院 待合ラウンジの子供コーナー 設計監理：アトリエテクト |
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開業場所 | 2012年12月3日 | |
| 動物病院の開業ではテナント開業であれ、新築開業であれ、開業場所を絞り込まなければなりません。ある程度の開業場所を想定しない限り、テナントを探すことも土地を探すこともできません。自分が動物病院開業すべき場所を決めてテナントや土地を探さなければ、優良なテナントも良好な土地も見つからないものです。開業すべき地域というのは、自分の意志で決めるからこそ開業に適した地域になり、開業すると最終決定を自ら行うからこそ開業に最適な場所になります。（少なくとも私はそう思っています） 開業場所の範囲を決め、テナントや土地を探し始めると、複数候補のテナントや土地が選択肢に上がってきます。開業範囲を絞り込み、テナントや土地候補が見つからない場合は、開業候補の範囲を少しずつ広げていきます。開業範囲の広げ方にも方法があります。当初の開業候補地を中心にして同心円状に開業候補範囲を広げる方法、当初開業候補地の線路沿線や道路沿線伝いに線的に開業候補地を延伸して行く方法、開業候補地に隣接する町単位に開業候補地を拡張していく方法等、地域の実情に合わせながら開業候補地を広げていけば、いずれテナントや土地は見つかります。 開業候補のテナントや土地が見つかった時、複数候補の中のどのテナントや土地が最も動物病院の開業に適しているのか・・・建築的な詳細は設計事務所が判断出来ます。動物病院へお客様の足を向けさせることが出来るのは、テナントや土地を決める先生の意志と適格な診療行為と診療サービスの質・・・ではないでしょうか。 |
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| 東京都港区 ダクタリ動物病院 東京医療センター |
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開業相談と問い合わせ先 | 2012年12月1日 | |
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動物病院の開業を目指す獣医師の方の主な相談先はいろいろです。先輩獣医師や同僚獣医師で先に開業された方への相談や、出入りの医療業者の方へ相談されるケースもあるでしょう。動物病院開業コンサルタント会社へ相談をされる方、税理士や会計士に相談される方もおられるでしょう。 先に開業された先生方の動物病院を見に行くことも良い体験になります。成功談や失敗談を引き出せれば、動物病院を開業する際、より良い動物病院作りの適正な情報になるでしょう。開業後間もない先生と開業後数年を経た先生の病院をそれぞれ見学できれば、それぞれの利点や欠点を違う視点から捉えられることと思います。 ネットや書籍を調べると様々な開業情報が開示されています。良し悪しは別にして多くの情報が流れています。開業情報には個人差があり、物事の判断基準の差を判断しながら情報の取捨選択が出来ない場合には、標準の在り処が解らなくなってしまうこともあります。 動物病院の開業前に乗ることが出来る船はたくさん用意されています。どの船の行き先も動物病院開業と名を打っていますが、乗船する船によって辿り着く先は違う景色になります。行き先の希望がはっきりしているならば、船の行き先を自分で決められる自由度の高い船に乗るべきでしょう。要所要所の意志決定を自分が判断できる立場にいること、適切なアドバイスが得られ目標に近づく可能性が可能な限り高い船を選ぶことが肝要です。 動物病院開業問い合わせ先はこちら（開業相談サービス)です。メール相談サービスはこちらです。 |
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| 東京都港区 ダクタリ動物病院 東京医療センター エントランスホール階段 |
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震災の影響 | 2012年11月26日 | |
| 2011年3月11日、東北地方の震災の影響で昨年は東北３県からの新規開業の依頼はありませんでしたが、2012年春頃から新規動物病院開業や移転開業の依頼が少しずつではありますが入ってきています。岩手県、青森県、宮城県の被災地の復興は遅々として進んでいないのが現状です。冬が近づくと東北地方の生活は寒さと雪を凌ぐだけでも堪えます。同様に東北３県の建築業界の状況も混乱状態が続いており、新築物件でも改修物件でも、専門業者の不足と人手不足が重なり、見積遅延や見積り金額の高騰がおきています。工事見積から工事着工・各種行政庁への申請手続き等も予定通りに進まず、工事着工に至るまでのスケジュールも管理不能の状態になっています。 震災復興を抱える行政窓口も忙しい状況が続いているようで、申請業務の確認や検討等にも非常に多くの時間を要しています。このような混乱状況はまだまだ続いて行くと思いますが、開業や動物病院の再開に向けて少しずつでも前に進むことが大事なことです。現在、出来ることを進めていくこと、遅くとも良いので亀のように ”前進” ”前進” 進んでいくようにしたいものです。 |
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| 東京都品川区 荏原どうぶつ病院 設計監理：ジュンメ設計事務所 |
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既存排水管のツマリ | 2012年11月7日 | |
| テナント動物病院開業での話です。テナントで動物病院を開業する時にテナントの既存排水管を再使用することが多いのですが、再使用する前には既存排水管に水を流し、既存排水管内を排水が適切に流れることを確認します。水の流れに不具合がある場合には高圧洗浄を既存排水管にかけ、既存排水管内部を洗浄し水の流れを再度確認します。水が適切に流れ、既存排水管の使用が可能と判断できれば、新規の排水管を既存排水管に接続し利用します。 上記のように既存排水管の流れの確認を行ったにも関わらず、動物病院開業後、排水が適切に流れない場合が出てきます。排水物は重力によって上から下へ流れるように敷設されており、管径によって適正な勾配が確保されていなければなりません。既存排水管の勾配が適正でない場合、開業後に排水管の詰りが発覚するケースがあります。 近年は節水型便器が主流となっており、以前の便器に比較して排水時の水量が非常に少ない省エネルギー型になっています。排水量が少ない場合にも、既存排水管の水の流れが思わしくならずに排水管内に雑物が詰まりやすくなることもあります。 いずれのケースも開業後に排水管の詰りが発覚することが多いのですが、既存排水管自体がコンクリート床の下に埋められており、正確な勾配の確認が困難ですので、ある程度のリスクを鑑みながらも、工事を進めていかなければなりません。特に古いテナントの場合は排水管の問題が多くなります。リスクを考慮したうえで、テナントの選択をする必要があるのです。 |
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| 東京都福生市 エールﾍﾟｯﾄｸﾘﾆｯｸ 待合洗面台と新設排水管 |
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収納不足 | 2012年11月6日 | |
| 足りないよりは余るほどあったほうが良いものが収納です。延床面積が小さい場合や開業時の建築工事にかけられる予算が少ない場合でも、可能な限り、取り付けて置いて将来役立つものが収納です。納戸のような収納部屋が可能であるならば部屋として用意し、ドアがなくても収納コーナーのような形で用意することも可能です。予算が足りなければ間仕切りのみとして、内装の仕上げを省いても問題ありません。内部の棚は既製品金属棚を購入すると費用は安く押さえられます。間仕切り壁の費用の捻出が困難であれば、カーテンやロールカーテンで仕切る程度でも十分に機能します。 延床面積が小さいテナントの場合は、既製品の吊戸棚の利用が適しています。賃貸アパートでよく見かける小さなキッチンの上部に取り付けいている吊戸棚です。既製品吊戸棚は適正な価格で適度な耐久性がありますので、動物病院の壁掛け収納には向いています。天井高に余裕があれば吊戸棚を2段にして収納スペースを増やすこともできますし、吊戸棚と天井の間に隙間を設けて吊戸棚を設置し、吊戸棚上部を物置棚として使用することも可能です。 |
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| 埼玉県行田市 ブルー動物病院 検査処置室の既製品吊戸棚 |
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室内パドック | 2012年11月4日 | |
| 比較的面積に余裕のある動物病院には室内パドックを設けることがあります。パドック部屋面積は2帖程度～6帖以上まで様々です。パドックは多目的室的な使用の仕方を想定している先生もいます。パドックは床に長尺塩ビシートを敷き込み、壁には1.5m程度までの高さに床仕上材の長尺塩ビシートを立ち上げます。大型犬のパドックとして利用する場合は2mほどの高さまで床仕上材を張りこみます。 床と壁の仕上はこの程度の仕様で大きな問題はありませんが、パドック入口ドアの木枠とドアの下端部分に少々問題が残ります。それはパドックに入れた犬がドアの木枠とドア下端の框部分を執拗に齧り続け、木枠とドア下端がボロボロになってしまうことが多々あるからです。動物達は何故か木製のドア枠とドア框部分に執着して噛みつづけるのです。 故に、パドックのドア框部分とドア枠下端部分にはステンレスを巻き込むことにしています。少々厚手の0.5㎜程度のステンレスを巻き込むと犬達の齧り行為に対して少なからず抵抗力を持ったドア枠とドア框になります。ステンレスの張り込み工事が杜撰に行われるとステンレス材の端部で動物達が怪我をすることがありますので、施工は動物達に怪我をさせることが無い様に慎重に行う必要があります。 |
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| 神奈川県相模原市 猫用パドック アム動物病院 設計監理：コモダアトリエ |
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ローコスト動物病院の”覚悟” | 2012年11月1日 | |
| ローコスト病院をつくるのは建築士や施工業者ではありません。ローコスト病院をつくるのは依頼主である獣医師です。建築士や施工業者はローコスト病院をつくる設計手法や施工方法を知っていますが、ローコスト動物病院のデメリットも解っています。施工費用を抑えることによって一般的な動物病院に劣るところが出てくることは当然です。耐久性が劣る材料の使用やメンテナンスが必要な材料の選定、安い機器や既設機器の使用による不具合も当然出てきますし、仕上のない箇所や納まりの不具合も生じます。暑さや寒さに我慢しなければならない部屋も出てきますし、少々使い勝手の不満な箇所も出てきます。 ローコスト設計やローコスト施工で通常の工事費用の動物病院と同様のものができるとすれば、それは表面に現れない重大な箇所で手抜き工事をしているか重要な部分を適当に作っているか、あるいは、仕上材料や下地材料を偽って作っているかのいずれかでしょう。 ローコスト動物病院をつくるのは施主である動物病院の先生方なのです。先生方の覚悟とローコストを作るという揺るぎない方針がなければ、ローコスト動物病院はできないばかりか、竣工と同時にクレームだらけの欠陥動物病院になります。 |
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| 東京都文京区 プーアル動物病院 |
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外部足洗い | 2012年10月31日 | |
| 動物病院の出入口前に足洗いを設置することがあります。出入口前に外待合を設けた場合は外待合に足洗い場を設置します。足洗い場と呼んではいますが、適当な高さの水栓と排水があるだけの設備です。名前の通りペットの汚れた足を洗ったり、ペットの飲み水として利用することを想定して設置しています。預かっているペットを散歩に連れて行った帰りに動物病院内へ入る前に使うこともあるでしょう。 どのような建物でも、外部水栓は必要になります。植栽への水遣りや室内で洗うことが困難な大物の器具、自転車や車の洗浄に使用する場合もあるでしょう。 動物病院を利用するすべてのクライアントが必要としているわけではありませんが、外部足洗いを利用するクライアントもいることは確かです。 |
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| 千葉県千葉市 昭和の森動物病院 |
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優先順位 | 2012年10月28日 | |
| 限られた予算の中で、動物病院開業に到達するためには予算の適正配分をしなければなりません。動物病院を開業するに当っては、動物病院の設計及び工事と医療機器購入にかなりの予算が必要になりますし、不動産の取得や賃貸のための支払いも必要です。加えて宣伝広告や開業後の運転資金も確保しなければなりません。どの部分にも予算は必要ですがとりわけ建築と医療機器のハードの部分には大きな予算が割かれます。 潤沢な予算を確保できれば問題ありませんが、そのような開業物件はあまりありません。限られた予算の中で希望の動物病院をつくるために、知恵を搾り出し、実現方法を探さなければならない場合が多いのです。 優先順位とは開業する動物病院の先生の動物病院への要望ランキングをつくることです。何がしたいのか、何にこだわりたいのか、動物病院に重要と考える箇所は何処なのかを整理し順位付けすることです。クライアントゾーンのデザインと居住性を第一に考えワークゾーンは機能的及び経済的につくる、耐久性能やメンテナンスにはこだわるがその他はコストを優先でつくる、ワークゾーンの医療環境の充実がメインでその他の部分は将来できることは将来にまわす・・・等々考え方はいろいろあると思います。 優先順位が明らかになれば、動物病院設計の際のコスト配分も明快になり、満足度の高い動物病院の実現に近づくことができます。 |
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| 東京都八王子市 あむーる動物病院 |
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木製ルーバー | 2012年10月25日 | |
| 動物病院の改修工事や戸建動物のファサードに木製ルーバーを取り付けることが多々あります。取り付ける木製ルーバーは自然素材です。比重の重い濃茶色の天然木から選択することが多く、イペ材、ウリン材、セランガンバツ材を使用しています。これらの材料は耐候性が高く、丈夫で長持ちするといわれており、もともとの基材の色も濃茶色なので白い外壁や空の青色、草木の緑と相性が良い材料です。しかし、天然木ですから、メンテナンスフリーではありません。通常は建物の竣工後一年目で再塗装を施し、その後3年毎に再塗装しなければ、当初の色合いや材料自体の強度が失われていきます。 個人的には、自然素材を建築で扱うことには大いに賛成です。自然木や天然石、土からできるタイルや珪藻土等は建物の美観を底上げする材料であると感じていますし、好んで使用したい材料でもあります。しかし自然素材は手入れが必要です。部屋の中を毎日掃除するのと同様に一年に数回は建物外部も手入れをしなければ、建物は傷んでいくものです。 自然素材を使用した動物病院は、暖かな温もりを感じますし、来院するお客様への動物病院からのメッセージにもなると思っています。自然素材を使用することは、循環型の社会を後押しすることにも繋がりますし、自然環境を守り育てることにもつながります。それらの行為は動物と共生する方々にも共感を持っていただけます。建物に自然素材を使うということは、建物と長い付き合いをしていくことです。長い付き合いをしていくためには、建物外部の手入れを怠り無くしていくことなのです。 |
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| 島根県松江市 もうり動物病院 |
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問い合わせ相談 | 2012年10月24日 | |
| 問い合わせ相談はメールで送られてくる場合が多いのですが、“はじめまして”に始まって、次に相談内容が書かれています。そして、最後に、相談者の都合により早々に返事を頂きたいと結んであります。 メールで送付される問い合わせ相談のほとんどが何処の誰であるかの記名が無い匿名相談で、当然のごとく電話連絡先も住所も書いていません。立地場所もわからず、建物の立地環境も想定できず、相手の名前も連絡先もわからない問い合わせメールに応えてくれる設計事務所は“ナイ”とは言いませんが、真摯な答えを期待しても無駄だと思います。 問い合わせをしていただくのは、大変ありがたいことですが、問い合わせをしていただく場合には、氏名、住所（〇〇県〇〇市程度）、連絡先程度は記名していただかなければ、まじめな返答や回答は返ってこないものと思ったほうが良いのではないでしょうか。 動物病院開業メール相談 |
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| 島根県松江市 もうり動物病院 |
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適正な施工業者の見つけ方 | 2012年10月23日 | |
| 良い施工業者を見つける完璧な方法があれば教えて欲しいのですが、最も簡単な方法は経験豊かな設計事務所に設計監理を依頼し、正確な設計図書の作成の後、複数社の参加による競争見積りをすることだと思います。ここで言っている良い施工業者に入る範疇を記すと以下の項目になります。 ■適正な工事価格で工事を行うこと ■工事工程を遵守すること ■設計図書を理解し、正確な見積りが出来ること ■設計図書の指示通りの施工をし、指示に不備がある場合は事前に相談すること ■手抜き工事をしないこと ■工事後の対応が迅速なこと 良い仕事を続けていれば自ずと依頼先が広がり新しい依頼主も増えていきます。従って良い仕事をしている施工業者は、たくさんの注文を抱えています。故に、良い施工業者がこちらの希望通りの日程で工事着工ができるとは限りません。当然、良い仕事をしてもらうためには、施工業者の仕事の都合を優先し、ある程度こちらの都合をあわせなければなりません。 工事見積書を精査すると施工業者の実力の判断目安にはなります。しかし、実際に工事をしてみなければわからないことは山程あるものです。設計事務所は多くの建物の設計監理をしています。経験豊かな設計事務所は過去の案件を行った施工会社の中から良い施工をする業者を知っています。 |
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| 埼玉県蕨市 まつざか動物病院 設計監理：村田三雄建築研究所 |
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ＡＣプラン（AC PLAN）について | 2012年10月22日 | |
| 設計監理契約を締結する頃によく聞かれるのです。“ＡＣプランとはどういう組織ですか？”と。 ＡＣプランは動物病院設計に特化した設計事務所集団です。ＡＣプランは動物病院に関連する建築の設計のみを専門にしています。動物病院の新規開業に向けての新規開業テナントの設計監理、戸建動物病院の設計監理、動物病院併用住宅の設計監理、トリミングやペットホテルの設計監理も業務範囲ですし、既存動物病院の改修、改築、増築の設計監理も行います。また、動物病院の移転や診療を続けながら可能な開業しながらリニューアル工事を行う設計監理も業務範囲内です。 現在6つの建築設計事務所がＡＣプランには参加しており、北は北海道から南は九州まで日本全国で動物病院関係の設計監理を継続しています。テナントでは延床面積7坪から150坪を超える動物病院の設計監理を行い、戸建動物病院では、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の多様な構造と規模の動物病院を提案しています。また、動物病院併用住宅や難易度の高い増改築物件、リニューアルにも実績を残し、動物病院の防臭計画や防音計画のノウハウも蓄積しています。 現在は、年間に40棟ほどの動物病院の設計監理を行い、動物病院の設計監理累積数は200棟以上になっています。これからも、獣医師の先生方とスタッフの方々及び来院するお客様に喜んでいただける動物病院を創りつづけて行きます。 |
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ACプランホームページ |
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| 掲載写真は動物病院設計ＡＣプランで設計監理した動物病院の写真です。 | ||
